クリの種子はマロンと呼ばれますが、これは本来マロニエ(セイヨウトチノキ)の種子のことです。マロニエの種子から作られる菓子『マロングラッセ』をクリで代用するようになったため、クリがマロンと呼ばれるようになったとの説があります。クリの材は非常に腐りにくいため、鉄道の枕木に使われるほか、縄文時代の遺跡『三内丸山遺跡』からは数千年前のクリの柱が腐らずに出土しています。
和名 クリ(栗)、シバグリ(芝栗)、ヤマグリ(山栗)
英語名 Korean chestnut, Korean castanea, Japanese chestnut
学名
Castanea crenata Siebold & Zucc.
Castanea chinensis Hassk.
Castanea japonica Blume
Castanea kusakuri (Blume) Koidz.
Castanea stricta Siebold & Zucc.
観察難易度 ★★☆☆☆
分類
門 :被子植物門
無階級:真正双子葉類
無階級:コア真正双子葉類
無階級:バラ類
無階級:真正バラ類I(マメ類)
目 :ブナ目
科 :ブナ科
属 :ブナ属
種 :クリ
分布 日本、朝鮮半島南部。日本国内では北海道(中部以南)、本州、四国、九州(屋久島以北)に分布する。
生育環境 山地。人為的に植えられている場合も多い。
生活環 落葉樹。
全体の特徴 高さ15~20m。材は非常に腐りにくい。
幹 老木では、樹皮に深く大きな縦の裂け目ができる。
葉 互生。長楕円状披針形。長さ7~15cm。左右不同。鋭い鋸歯縁。裏側は有毛、腺点がある。
花 雌雄異花。雌花序は淡緑色、総苞は花後も残り殻斗(イガ)に変わる。雄花序は淡黄白色、尾状、斜上する。花期は7月。
果実 堅果。偏球形。基部に広いつき跡がある。3個の果実が殻斗(イガ)に包まれ、全体は球状になる。10月に成熟する。
種子 木質化した果皮に包まれる。種皮は渋皮と呼ばれる。
見分けのポイント トチノキの種子は先端が尖らない。
成分
デンプン:種子の大部分を占める。
用途 庭園樹。材は建築材、彫刻材、枕木。種子は食用、特にモンブランの材料。
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