直径1cm程の小さな果実をつける日本在来のリンゴです。果実はそのままでも食べられますが、ズミ(酢実)の名の通りなかなか酸っぱいので、ジャムや果実酒にするのがおすすめです。セイヨウリンゴの台木や櫛の材料としても活躍しています。

和名 ズミ(酸実、桷)、ヒメカイドウ(姫海棠)、ミツバカイドウ(三葉海棠)、ミヤマカイドウ(深山海棠)、コリンゴ(小林檎)、コナシ(小梨)、サナシ(小梨)

生薬名 —

アイヌ語名 セタニ、アペニ、セタンニ、セタイニ、ヤタニ、セタラ

英語名 Siebold’s crab, Siebold’s crabapple, Toringo crabapple, Toringo crab, Japanese flowering crab

学名
Malus sieboldii Rehder
Crataegus cavaleriei H.Lév. & Vaniot
Crataegus taquetii H.Lév.
Malus baccata ssp. toringo (Siebold) Koidz.
Malus sargentii Rehder
Malus sieboldii Rehder
Malus sphaerocarpa (Wender.) M.Roem.
Malus toringo (Siebold) de Vriese
Malus toringo f. koringo (Koidz.) T.Shimizu
Malus toringo ssp. sargentii (Rehder) Likhonos
Photinia rubrolutea H.Lév.
Pyrus esquirolii H.Lév.
Pyrus mengo Siebold ex K.Koch
Pyrus riversii K.Koch
Pyrus rivularis var. toringo (Siebold) Wenz.
Pyrus sieboldii Regel
Pyrus sphaerocarpa Wender.
Pyrus subcrataegifolia H.Lév.
Pyrus toringo (Siebold) Miq.
Sorbus toringo Siebold

観察難易度 ★★☆☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
無階級:コア真正双子葉類
無階級:バラ類
無階級:真正バラ類I(マメ類)
目  :バラ目
科  :バラ科
亜科 :モモ亜科
属  :リンゴ属
種  :ズミ

分布 日本、朝鮮半島、中国。日本国内では、沖縄を除く北海道~九州に分布する。

生育環境 やや湿った環境を好む。山林、原野、河畔林等。

生活環 落葉樹。

全体の特徴 高さは最大10mだが、2m程の低木状になることも多い。

 —

 老木の樹皮は灰褐色、縦に裂け、鱗状に剥がれる。若枝の樹皮は赤紫色、平滑、リンゴ属に特有の皮目がある。長枝と短枝がある。短枝は棘状になる。

 互生。葉身は長さ3~10cm。細鋸歯縁~重鋸歯縁。長枝の葉は、葉身は卵形。裂けないものと、不規則に3~5中裂するものが混じる。短枝の葉は、葉身は長楕円形、裂けない。

 短枝の先に5~7個つく。径2.5~3cm。花弁は5個、白色~淡紅色。蕾は紅色が濃く、開花に伴って白っぽく変わる。花期は5~6月。

果実 ナシ状果。球形。径6~10mm。赤色。9~10月に成熟する。

種子 —

見分けのポイント 葉は、裂けないものと、不規則に3~5中裂するものが混じる。

用途 庭園樹、公園樹、街路樹。生垣、盆栽。セイヨウリンゴの台木。樹皮は染料。材は緻密なため櫛等の器具材に使われる。果実は生食の他、ジャム、果実酒の材料。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
文化財保護法(日本):なし
北海道文化財保護条例(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

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