ドイツトウヒの松ぼっくりは、鳩時計の下にぶら下がっているおもりのモチーフに使われています。スウェーデンに生えるオールドティッコと呼ばれる個体は9550歳であり、世界最高齢の植物ではないかと考えられています。同属に、共に北海道の木に指定されているエゾマツアカエゾマツがあります。

和名 ドイツトウヒ(ドイツ唐檜、ドイツ唐桧)、ヨーロッパトウヒ(ヨーロッパ唐檜、ヨーロッパ唐桧)、オウシュウトウヒ(欧州唐檜、欧州唐桧)、ノルウェートウヒ(ノルウェー唐檜、ノルウェー唐桧)、ドイツマツ(ドイツ松)

生薬名 —

アイヌ語名 —

英語名 Norway spruce, European spruce

学名
Picea abies (L.) H.Karst.
Abies abies (L.) Druce
Abies communis Lindl.
Abies picea Mill.
Pinus abies L.
Pinus pyramidalis Salisb.

観察難易度 ★★☆☆☆

分類
門  :裸子植物門
綱  :マツ綱
目  :マツ目
科  :マツ科
属  :トウヒ属
種  :ドイツトウヒ

分布 原産地はヨーロッパ。

生育環境 原産地では山の日当たりの良い斜面に生育する。北海道では人為的に植えられる。

生活環 常緑樹。

全体の特徴 原産地では高さ50mになる。北海道では高さ20~30m。

 —

 灰褐色。鱗状に裂ける。

 葉身は線形、長さ1.5cm。先は尖る。断面は菱形。

 雌雄異花。雌花は円柱形、長さ3~4cm、紅紫色、直立する。雄花は円柱形、長さ2cm、淡紅色。花期は5~6月。

球果 円柱形。長さ15~20cm。下垂する。鮮やかな褐色。9~10月に成熟する。

種子 —

見分けのポイント
北海道で見られるマツ科トウヒ属主に以下の4種。いずれも葉は硬く先が尖るため、触るとチクチクする。
・ドイツトウヒ:球果は圧倒的に大きく、長さ約20cm。外来種。公園等に人為的に植えられていることが多い。
アカエゾマツ:葉が最も短く、長さ約1cm。在来種。湿地やガレ場等過酷な環境でよく見られる他、公園にもとてもよく植えられている。
エゾマツ:葉の長さは中程度。在来種。山地でトドマツや広葉樹と混じって生え、純林は作らない。人為的に植えられることも多い。
プンゲンストウヒ:葉が最も長く、長さ2~3cm。葉が白色の品種が多い。外来種。公園等に人為的に植えられていることが多い。

成分 —

用途 公園樹、街路樹、鉄道防雪林。クリスマスツリー。建築材。鳩時計のおもりのモチーフ。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
文化財保護法(日本):なし
北海道文化財保護条例(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):カテゴリーB

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