万葉集には「萩の花 尾花葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなえし) また藤袴 朝貌(あさがほ)の花(山上憶良)」という和歌が収められており、これら7種の植物は『秋の七草』と呼ばれます。ハギ(萩)はマメ科ハギ属の総称ですが、単にハギと言った場合、ヤマハギを指すことが多いようです。和菓子のおはぎは、ハギの花に見立ててこの名がついたとの説があります。

和名 ヤマハギ(山萩)、エゾヤマハギ(蝦夷山萩)、ハギ(萩)

英語名 shrubby bushclover、shrub lespedeza、bicolor lespedeza

学名
Lespedeza bicolor Turcz.
Desmodium penduliflorum Oudem.
Lespedeza bicolor f. acutifolia Matsum.
Lespedeza bicolor f. grandifolia Matsum.
Lespedeza bicolor f. nakaiana Murata
Lespedeza bicolor f. niveoflora S.Akiyama & H.Ohba
Lespedeza bicolor f. parvifolia Matsum.
Lespedeza bicolor f. pendula S.L.Tung & Z.Lu
Lespedeza bicolor f. rosea (Nakai) S.Akiyama & H.Ohba
Lespedeza bicolor var. sericea Nakai
Lespedeza ionocalyx Nakai
Lespedeza penduliflora (Oudem.) Nakai
Lespedeza setiloba Nakai
Lespedeza spicata Nakai & F.Maek.
Lespedeza tobae H.Koidz.
Lespedeza veitchii Ricker

観察難易度 ★☆☆☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
無階級:コア真正双子葉類
無階級:バラ類
無階級:真正バラ類I(マメ類)
目  :マメ目
科  :マメ科
属  :ハギ属
種  :ヤマハギ

分布 日本、サハリン、朝鮮半島、中国、ロシア南東部。日本国内では沖縄を除く北海道~九州に分布する。

生育環境 やや日当たりの良い環境を好む。低地~山地。林縁、草地。

生活環 落葉樹。

全体の特徴 半低木。幹は下部のみ木質化する。上部の幹や枝は冬に枯れる。高さ0.5m~2m。

 下部のみ木質化する。上部の幹や枝は冬に枯れる。

 互生。3出複葉。小葉は広楕円形、長さ1.5~4cm。頂小葉は有柄。薄く柔らかい。

 総状花序。小花は蝶形花。花弁は赤紫色。花期は7月下旬~9月。

果実 豆果。円形。扁平。

種子 1個の果実に1個含まれる。

見分けのポイント 葉は3出複葉。小葉は広楕円形。小低木で、幹は下部のみ木質化する。

成分
ジメチルトリプタミン:葉に含まれる。麻薬の一種。

用途 公園樹、庭園樹。花材、特に秋の七草として重要。緑化、砂防。家畜飼料。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

写真はクリックで拡大できます。