【特集】バレンタインデー

バレンタインデーに欠かせないアイテムといえば、チョコレート。その主原料であるカカオはアオイ科カカオ属の常緑樹で、中央~南アメリカに分布します。北海道ではほぼ加工された状態で流通し、屋外で育つ姿はまず見られません。でもチョコレートのトッピングには、北海道の自生種や、その近縁種がけっこうたくさんあるのです。

アーモンド

チョコレートと相性抜群のアーモンドは、種子の部分が食用になります。生食や、ロースト、薄くスライスしたり、絞ってアーモンドミルクにする等、様々な形で利用されています。イラン原産ですが、そのおいしさから現在は広く世界中の温帯で栽培されています。バラ科スモモ属に分類され、ウメに似た淡いピンクの花を咲かせます。北海道にも同属のエゾヤマザクラシウリザクラが分布するほか、ソメイヨシノがよく植えられています。

クルミ

クルミはお菓子やパンだけでなく、和食や中華にも合う万能食材です。クルミ科クルミ属の総称で、食材として流通しているものはイラン原産のテウチグルミが多いようです。北海道でも河原等でテウチグルミや自生種のオニグルミが見られます。どちらも果実(外果皮)は緑色の球形で、一見するとクルミらしくありませんが、これを剥くと中からゴツゴツした殻(内果皮)が現れます。これをペンチ等で割ると、中においしい種子が入っています。ただ緑色の果実にはタンニンが多く含まれ、素手で触ると手が真っ黒になりますので、汚れてもよい軍手等をして触りましょう。

ヘーゼルナッツ

お菓子やリキュールに使われるヘーゼルナッツは、アーモンド、カシューナッツと共に世界三大ナッツのひとつに数えられています。食べている部分は、地中海沿岸原産のセイヨウハシバミ(カバノキ科ハシバミ属)の果実です。北海道には同属のハシバミとツノハシバミが自生しており、どちらも同様に食べることができます。ツノハシバミは若い時期のみ葉に斑があり、果実はユニークな細長い総苞に包まれる等、植物観察にもおすすめです。

ラムレーズン

ラムレーズンはブドウの果実を乾燥させてからラム酒に漬けこんだものです。ブドウはブドウ科ブドウ属の総称で、多くの種と品種を含み、北半球の温帯付近に広く分布しています。北海道にはヤマブドウ、エビヅル、サンカクヅルの3種が自生しており、いずれもおいしく食べることができます。中でもヤマブドウは全道の林縁等でよく見られ、ジャムやワインとして商品化もされており、最も身近な野生ブドウではないでしょうか。

ベリーミックス

ベリーは「小さな果実」等を意味する言葉です。ベリーミックスの名で、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、チェリー等を含む商品が販売されています。

ラズベリー:ヨーロッパキイチゴ(バラ科キイチゴ属Idaeobatus亜属)と、その近縁種の総称です。北海道にはナワシロイチゴ等が自生しており、日当たりの良い草地でよく見られます。

ブラックベリー:セイヨウヤブイチゴ(バラ科キイチゴ属Rubus 亜属)とその近縁種の総称です。北海道や日本国内に自生種はありません。

ブルーベリー:ツツジ科スノキ属に分類される幾つかの種と品種の総称です。スノキ属は北海道に約10種が自生しており、いずれも食べることができます。中でもナツハゼは低山~亜高山でよく見られ、秋には美しく紅葉します。

チェリーセイヨウミザクラ(バラ科スモモ属)の果実で、いわゆるサクランボのことです。同属には先述のアーモンドや北海道に自生するエゾヤマザクラ等があります。

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