葉は塩漬けにされ、桜餅に使われます。オオシマザクラを母親として多くの品種が作られており、それらは総称してサトザクラと呼ばれます。サトザクラは台木にオオシマザクラが使われていることが多く、サトザクラの地際からオオシマザクラが生長して花を咲かせていることがあります。ソメイヨシノは、エドヒガンを母親、オオシマザクラを父親として誕生しました。

和名:オオシマザクラ(大島桜)、タキギザクラ(薪桜)、モチザクラ(餅桜)

英語名:—

学名:Cerasus speciosa, Cerasus lannesiana var. speciosa, Prunus lannesiana, Prunus speciosa, Prunus lannesiana var. speciosa

観察難易度:★★☆☆☆

分類:被子植物門、真正双子葉類、コア真正双子葉類、バラ類、真正バラ類I、バラ目、バラ科、スモモ属、サクラ亜属、オオシマザクラ

生活環:落葉樹

形態:高さ8~10m。太さ50cm。

樹皮:暗灰色。皮目が目立つ。

葉:互生。葉身は倒卵状長楕円形~倒卵状楕円形、長さ8~13cm、幅5~8cm。無毛。先は尾状。基部は円形、時に心形。重鋸歯縁。鋸歯は先が芒状に伸びる。葉柄の先の方に蜜腺が2個ある。

花:散房花序。花序の柄は長さ1.5~2.5cm。小花は3~4個、無毛。小花はサクラ亜属の中ではかなり大きく、径3~4cm。花弁の先は切れ込む。花期は5月上旬。葉の展開と同時に開花する。

果実:核果。球形。径1.2cm。赤色から黒紫色に変化する。

生育環境:人為的に植えられる。

分布:日本固有種。原産地は伊豆諸島。房総半島、三浦半島、伊豆半島に分布するが、これらは帰化したと考えられている。

用途:サトザクラの台木。公園樹、庭園樹。葉は塩漬けにされて桜餅に使われる。建築材、器具材、機械材、楽器材。薪炭。

法規制等:—

見分けのポイント:花は大きく径3~4cm。