とても生長がゆっくりなため、材は緻密で硬くなります。器具材に使われ、特に笏や飛騨一位一刀彫の材料として重要です。山林で時々見られ、まれに純林を作ることがあります。焼尻島にあるイチイの原生林は国の天然記念物に指定されています。北海道の多くの自治体で市町村の木に指定されています。

和名:イチイ(一位、櫟)、オンコ、アララギ(櫟、蘭)、スダオノキ、ミズマツ(水松)

英語名:Japanese yew, spreading yew

学名:Taxus cuspidata

観察難易度:★☆☆☆☆

分類:裸子植物門、イチイ綱、イチイ目、イチイ科、イチイ属、イチイ

生活環:常緑樹

形態:高木。高さ15m。

葉:螺旋状または2列に並んでつく。線形。長さ1.5~3cm。幅2~4mm。

花:雌雄異株。球形、径3mm。雌花は淡緑色~淡緑褐色、広卵形、長さ2.5mm。雄花は淡褐黄色。花期は4~5月。

種子:球形。径8mm。仮種皮が果実のように赤く肥大し、種子を覆う。9~10月に成熟する。仮種皮は食用になるが、種子は有毒。

生育環境:林内。

分布:日本、朝鮮半島、中国、千島列島、サハリン、ロシア沿海地方。日本では北海道、本州、四国、九州に分布する。

用途:公園樹、庭園樹、街路樹、生垣、トピアリー。材は床柱、彫刻、家具、笏、飛騨一位一刀彫の材料。仮種皮は食用、ただし種子は有毒。

法規制等:—

見分けのポイント:—

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見分けのポイント: