生垣としてとてもよく植えられています。枝に寄生するイボタロウムシからはいぼた蝋が採取され、蝋燭や薬の原料になります。同属には本州でよく植えられるネズミモチ、同科別属にはライラックがあります。

和名 イボタノキ(水蠟木、水蝋樹、疣取木)、コバノイボタ(小葉の疣取)

生薬名 伊保多蠟(いぼたろう)、虫白蝋(ちゅうはくろう)

アイヌ語名 エボタンニ、エポタンニ、イポタンニ

英語名 Japanese privet

学名
Ligustrum obtusifolium Siebold & Zucc.
Ligustrum obtusifolium ssp. microphyllum (Nakai) P.S.Green

観察難易度 ★★☆☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
無階級:コア真正双子葉類
無階級:キク類
無階級:真正キク類I(シソ類)
目  :シソ目
科  :モクセイ科
属  :イボタノキ属
種  :イボタノキ

分布 日本、朝鮮半島、中国。日本国内では、沖縄を除く北海道~九州に分布する。

生育環境 低地~山地。明るい林、林縁。

生活環 落葉樹。

全体の特徴 高さ2~4m。よく分枝する。

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 樹皮は灰白色〜灰褐色。皮目がある。若枝には細毛がある。長枝と短枝がある。枯れ枝は棘状になって残る。

 対生。葉身は長楕円形。長さ2~7cm。全縁。鈍頭。無柄。

 総状花序。花冠は筒状漏斗形、先端が4裂する、白色。芳香がある。花期は7月。

果実 核果。楕円状球形。紫黒色。長さ7mm。10月に成熟する。

種子 —

見分けのポイント —

成分
脂肪酸:蝋の一種。厳密にはイボタノキの成分ではなく、イボタノキに寄生するイボタロウムシが分泌するもの。

用途 公園樹、庭園樹。特に生垣として重要。ライラックの台木。木材はそろばん、工芸品の材料。枝に寄生するイボタロウムシからいぼた蝋が採取される。いぼた蝋は、蝋燭、医薬品、精密機械用高級ワックス、印刷機のインクの原料。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
文化財保護法(日本):なし
北海道文化財保護条例(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

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