北海道で最も早く、雪が解けきる頃に咲くツツジです。花は新葉が出る前に咲くため、よく目立って大変美しいです。絶滅危惧II類に指定されている他、北見市留辺蘂町温根湯温泉の群落は北海道の天然記念物です。公園等によく植えられており、サツキと並び北海道で最も身近なツツジのひとつです。

和名 エゾムラサキツツジ(蝦夷紫躑躅)、トキワゲンカイ(常葉玄海、常磐玄海)、トキワツツジ(常葉躑躅、常磐躑躅)

英語名 Dahurian azalea

学名
Rhododendron dauricum L.
Azalea dahurica K.Koch
Azalea daurica (L.) Kuntze
Rhododendron atrovirens (Ker Gawl.) Tagg
Rhododendron dauricum subsp. ledebourii (Pojark.) Alexandrova & P.A.Schmidt
Rhododendron ledebourii Pojark.

観察難易度 ★★☆☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
無階級:コア真正双子葉類
無階級:キク類
目  :ツツジ目
科  :ツツジ科
亜科 :ツツジ亜科
属  :ツツジ属
種  :エゾムラサキツツジ

分布 日本、朝鮮半島、中国東北部、中央アジア北部、モンゴル。日本国内では北海道にのみ分布する。

生育環境 山地に生育する。岩場に多い。

生活環 半常緑樹。秋に落葉するが、一部の葉は枯れずに越冬する。

全体の特徴 高さ2m。よく分枝する。

 よく分枝する。

 互生。枝先に集まってつく。葉身は楕円形~長楕円形、長さ2~6cm。しばしば裏側に巻き込む。堅い。光沢がある。両面に円い腺鱗片がある。開花後に新葉を出す。

 枝先に数個の花をつける。花冠は漏斗状鐘形、先は5裂する。花冠の色は紅紫色。雄蕊は10個。花期は4~5月。越冬葉のみで新葉がまだ展開していない時期に開花する。北海道に自生するツツジ属の中で花期が最も早い。

果実 蒴果。長さ8mm。褐色。腺鱗片がある。9~10月に成熟する。

種子 —

見分けのポイント 雪が解けきる頃、北海道に自生するツツジ属の中で最も早く開花する。花時には越冬葉のみで、新葉は花後に展開する。雄蕊は10個。

成分
グラヤノトキシン:摂取すると不整脈を引き起こす。

用途 庭園樹、公園樹。生垣。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):絶滅危惧II類(VU)
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
文化財保護法(日本):なし
北海道文化財保護条例(北海道):温根湯エゾムラサキツツジ群落(天然記念物)
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

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