『高山植物の女王』と呼ばれています。日本国内では一部の高山にしか生育せず、北海道では希少種に指定されています。土がなく他の植物が生育できない過酷な環境に進出することができます。

和名 コマクサ(駒草)、カラフトコマクサ(樺太駒草)

英語名 —

学名
Dicentra peregrina (Rudolph) Makino
Capnorchis peregrina (Rudolph) Kuntze
Capnorchis pusilla (Siebold & Zucc.) Kuntze
Corydalis lachenaliiflora Fisch. ex DC.
Corydalis tenuifolia Pursh
Dicentra lachenaliiflora (DC.) Ledeb.
Dicentra pusilla Siebold & Zucc.
Dicentra tenuifolia (Pursh) Ledeb.
Diclytra lachenaliiflora DC.
Diclytra tenuifolia (Pursh) DC.
Dielytra lachenaliiflora Cham. & Schltdl.
Dielytra tenuifolia (Pursh) Cham. & Schltdl.
Fumaria peregrina Rudolph
Fumaria tenuifolia Pers.

観察難易度 ★★★★☆

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
目  :キンポウゲ目
科  :ケシ科
亜科 :ケマンソウ亜科
属  :コマクサ属
種  :コマクサ

分布 日本、千島列島、サハリン、カムチャツカ半島、シベリア東部。日本国内では北海道、本州(中部、北部)に分布する。

生育環境 高山の礫地。礫が安定せず土壌がなく、他の植物が生育できない過酷な環境にも進出することができる。

生活環 多年草。

全体の特徴 高さ5~20cm。ドーム状の株を作る。

茎 

 根出葉のみで茎葉はない。2回3出複葉。小葉はさらに細かく裂ける。終裂片は線状披針形。粉白色を帯びる。長い柄がある。

 長さ2~2.5cm。花弁は4個、ピンク。外側の花弁は2個、基部が膨らみ、先が反り返る。内側の花弁は2個、合着し筒状になっている。花期は7~8月。

果実 蒴果。枯れた花弁に包まれる。

種子 —

見分けのポイント 他の植物が生育できないような礫地に生育する。葉は細かく裂け、粉白色を帯びる。花は基部が膨らむ独特の形をしている。

成分
プロトピン:血小板凝集を阻害する。鎮痛作用がある。

用途 高山植物の女王と呼ばれ観賞用として人気が高い。かつては薬用に使われた。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):希少種(R)
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

写真はクリックで拡大できます。