北海道には3種のアジサイ(アジサイ科アジサイ属の総称)が自生しており、その中で唯一の蔓性です。白い花びらのようなものは萼で、3~4個つきます。近縁のイワガラミ(アジサイ科イワガラミ属)も蔓性でよく似ていますが、萼は1個しかつきません。

和名 ツルアジサイ(蔓紫陽花)、ゴトウヅル(梧桐蔓)、ツルデマリ(蔓手毬)

英語名 climbing hydrangea

学名
Hydrangea petiolaris Siebold & Zucc.
Calyptranthe petiolaris (Siebold & Zucc.) Nakai
Hydrangea anomala var. megaphylla J.M.H.Shaw
Hydrangea anomala var. ovalifolia (Franch. & Sav.) J.M.H.Shaw
Hydrangea bracteata Siebold & Zucc.
Hydrangea cordifolia Siebold & Zucc.
Hydrangea petiolaris var. ovalifolia Franch. & Sav.
Hydrangea tiliifolia H.Lév.

観察難易度 ★★☆☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
無階級:コア真正双子葉類
無階級:キク類
目  :ミズキ目
科  :アジサイ科
属  :アジサイ属
種  :ツルアジサイ

分布 日本、南千島、サハリン、朝鮮半島。日本では北海道、本州、四国、九州に分布する。

生育環境 林内、林縁。

生活環 落葉樹。

全体の特徴 幹は蔓になる。幹から気根を出し、これが他の植物や岩に張りつくことで、上へと高く生長する。寄生植物ではない。

 幹が他の植物や岩と接する面から多数の気根を出し、張りつく。張りつく力はそれほど強くなく、引っ張れば簡単に剥がれてしまう。

 蔓になる。薄く大きく剥がれる。

 対生。葉身は卵円形、長さ5~10cm。細鋸歯縁。葉柄は長い。

 扁平な集散花序。花序の内側に多数の両性花、外周に少数の装飾花をつける。まれに装飾花だけの場合がある。両性花は径5mm、花弁は5個あるが開かずに脱落する、雄蕊は15~20個。装飾花は花弁状の萼片が3~4個ある、萼片の色は白色。花期は6~7月。

果実 蒴果。球形。径3.5mm。9〜10月に成熟する。

種子 扁平な卵形。長さ1.5mm。翼がある。

見分けのポイント
北海道に自生するアジサイ科のうち、蔓性のものは以下の2種。
・ツルアジサイ:装飾花の萼片は4個。樹皮は大きく剥がれる。
イワガラミ:装飾花の萼片は1個。樹皮は細かく剥がれる。

成分 —

用途 庭園樹。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

写真はクリックで拡大できます。