絵本『モチモチの木（斎藤隆介作、滝平二郎絵）』には恐ろしい木としてトチノキが登場します。同属にヨーロッパで非常に愛されているマロニエ（トチノキ科トチノキ属）があります。同科別属に北海道のソウルドリンク『ガラナ』の原料であるガラナ（ムクロジ科ガラナ属）があります。
和名 トチノキ（栃の木、橡の木）、トチ（栃、橡）、ウマグリ（馬栗）
英語名 Japanese horse-chestnut
学名
Aesculus turbinata Blume
Aesculus dissimilis Blume
Pawia dissimilis (Blume) Kuntze
Pawia turbinata (Blume) Kuntze
観察難易度 ★☆☆☆☆
分類
門 ：被子植物門
無階級：真正双子葉類
無階級：コア真正双子葉類
無階級：バラ類
無階級：真正バラ類II（アオイ類）
目 ：ムクロジ目
科 ：ムクロジ科
属 ：トチノキ属
種 ：トチノキ
分布 日本固有種。北海道（西南部）、本州、四国、九州に分布する。朝鮮半島に帰化している。
生育環境 山地の谷間。肥沃な土壌を好む。
生活環 落葉樹。
全体の特徴 高木。高さ20～25m。
幹 灰褐色～黒褐色。浅く不規則に裂け、剥がれる。
葉 対生。掌状複葉。長さ20～40cm。小葉は5～7個、狭倒卵形、中央のものが大きい。
花 円錐花序。花序は長さ15～25cm。花序のつけ根に両性花がつき、それ以外のほとんどが雄花。花弁は4個、白色、基部に淡紅色の斑紋がある。雄蕊は7個。萼片は5個。花期は5～6月。
果実 蒴果。倒卵状球形。径4cm。黄褐色。果皮は3裂する。10月に成熟する。
種子 果実の中に1個、まれに2個含まれる。クリの果実に似るが先端は尖らない。非常に渋いため、あまり動物に食べられない。
冬芽 長さ1～3cm。表面は樹脂でべたつく。
見分けのポイント 葉は対生、大きな掌状複葉。種子はクリの果実に似るが先端は尖らない。
成分
サポニン：種子に多く含まれる。石鹸同様の界面活性作用がある。
タンニン：樹皮に多く含まれる。
用途 種子は食用、特に栃餅の材料。花の蜜は蜂蜜の原料。公園樹、街路樹。材は器具、家具、建築等に使われる。
法規制等
環境省レッドデータブック2014：なし
北海道レッドデータブック2001：なし
世界の侵略的外来種ワースト100（国際自然保護連合）：なし
日本の侵略的外来種ワースト100（日本生態学会）：なし
生態系被害防止外来種リスト（環境省）：なし
北海道ブルーリスト2010（北海道）：なし
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