様々な薬効があることから、ゲンノショウコセンブリと共に日本三大民間薬のひとつに数えられます。『毒を矯(た)める(毒を抑える)』の意味からドクダミと呼ばれます。ひどい悪臭がありますが、加熱すると和らぐため、食用や飲用としても用いられます。被子植物の主要なグループ(双子葉類、単子葉類)と分かれて独自の進化をしたモクレン類に属します。

和名 ドクダミ(蕺草、蕺)、ドクダメ(毒溜)、ギョセイソウ(魚腥草)、ジゴクソバ(地獄蕎麦)、ウマゼリ(馬芹)

英語名 heart-leaved houttuynia, fish mint, fish herb, fishwort, lizard tail, chameleon plant, heartleaf, bishop’s weed

学名
Houttuynia cordata Thunb.
Houttuynia cordata f. polypetaloidea T.Yamaz.
Houttuynia cordata f. viridis J.Ohara
Houttuynia emeiensis Z.Y.Zhu & S.L.Zhang
Polypara cochinchinensis Lour.
Polypara cordata (Thunb.) H.Buek

観察難易度 ★★☆☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:モクレン類
目  :コショウ目
科  :ドクダミ科
属  :ドクダミ属
種  :ドクダミ

分布 日本を含む東アジアに広く分布する。日本国内では本州以南に分布するほか、北海道に帰化している。

生育環境 湿った日影を好む。人家の北側、用水路沿い等。

生活環 多年草。

全体の特徴 全草に強い悪臭がある。地下茎を伸ばし群生する。やや匍匐し、よく分枝する。

 長い地下茎がある。地上茎はやや匍匐し、よく分枝する。

 互生。葉身は心形、長さ4~8cm。先は細く尖る。時に赤味を帯びる。全縁。柔らかい。やや厚みがある。葉柄がある。托葉がある。

 穂状花序。花弁と萼はない。葯は黄色、多数密集しよく目立つ。柱頭は白色、目立つ。総苞は4個、白色、花弁のように目立つ。花期は6~8月。

果実 —

種子 —

見分けのポイント 強い悪臭がある。花は白い総苞が目立つ。葉は心形、柔らかい。

成分
デカノイルアセトアルデヒド:全草に含まれる。悪臭がある。
クェルシトリン:毛細血管を丈夫にする。ピーマンの苦味の元になる。

用途 食用。飲用。日本三大民間薬として薬用に使われる。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):カテゴリーA3

写真はクリックで拡大できます。