日当たりが良く湿った環境を好み、生長の速い、湿地性の先駆植物です。風や水に乗ってよく分散する果実と、折れやすく地面に落ちて発根・発芽する枝で、どんどん分布を広げます。樹皮は緑色を帯びるため遠くからでも見分けやすいです。材はとても柔らかく、泥のようであるとしてドロノキの名がついたとの説があります。

和名 ドロノキ(泥の木)、ドロヤナギ(泥柳)、ドロ(泥)、ワタドロ(綿泥)、ワタノキ(綿の木)、ハクヨウ(白楊)

生薬名 —

アイヌ語名 ペトルンクルニ、ヤイニ

英語名 Japanese Poplar, Asian Poplar, Maximowicz’s Poplar

学名
Populus maximowiczii Henry
Populus charbinensis Z.Wang & Skvortzov
Populus charbinensis var. pachydermis Z.Wang & S.L.Tung
Populus komarovii J.J.Vassil. ex Vorosch.
Populus koreana Rehder
Populus pseudobalsamifera Turcz.
Populus suaveolens f. suaveolens
Populus suaveolens pyramidalis (Regel) R.I.Schröd.
Populus suaveolens vimialis R.I.Schröd.
Populus ussuriensis Kom.
Populus vetla Wolkenst.
Populus vetla R.I.Schröd.

観察難易度 ★★☆☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
無階級:コア真正双子葉類
無階級:バラ類
無階級:真正バラ類I(マメ類)
目  :キントラノオ目
科  :ヤナギ科
属  :ヤマナラシ属
種  :ドロノキ

分布 日本、朝鮮半島、中国、サハリン、シベリア。日本国内では北海道~本州中部以北に分布する。

生育環境 日当たりが良く湿った環境を好む。河畔林、湖岸、湿地。

生活環 落葉樹。

全体の特徴 高さ30m。太さ1m以上になる。しばしば群生する。

 —

 平滑、緑色を帯びる。老木では灰褐色のコルク質が発達し縦に深く裂ける。

 互生。葉身は広楕円形、長さ6~12cm。基部はやや心形。浅い鋸歯縁。やや硬い。

 雌雄異株。雌花序は下垂する、長さ7~9cm、黄緑色。雄花序は下垂する、長さ6~9cm、暗赤色。花期は4~5月。

果実 蒴果。広卵形。長さ5~9mm。綿毛があり風や水に乗って分散する。果序は長さ14cm、果実が数珠繋ぎ状にぶら下がる。

種子 —

見分けのポイント 湿った環境に生え、しばしば群生する。樹皮は緑色を帯びる。葉は広楕円形。

成分 —

用途 幹はかつてパルプ材、マッチの軸等に利用されたが、現在は使われない。

法規制等
・環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
・北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
・文化財保護法(日本):なし
・北海道文化財保護条例(北海道):なし
・世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
・日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
・外来生物法(日本):なし
・生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
・北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

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