野菜として畑で栽培されますが、道端や空き地にもよく生えています。葉や茎を傷つけると、強いニンニク臭と殺菌作用のあるアリシンが生成されます。別名で『二文字(ふたもじ)』とも呼ばれます。ニラと間違えて、毒性のあるスイセンが採取されることがあり、注意が必要です。

和名 ニラ(韮、韭)、フタモジ(二文字)、キュウハク(韮白)、キュウビ(韮日)、キュウサイ(韮菜)、キュウサイシ(韮菜子)、キュウコン(韮根)、キュウシ(韮子)

英語名 garlic chives, Oriental garlic, Asian chives, Chinese chives, Chinese leek

学名
Allium tuberosum Rottler ex Spreng.
Allium angulosum Lour.
Allium argyi H.Lév.
Allium chinense Maxim.
Allium clarkei Hook.f.
Allium roxburghii Kunth
Allium tricoccum Blanco
Allium tuberosum Roxb.
Allium tuberosum f. yezoense (Nakai) M.Hiroe
Allium uliginosum G.Don
Allium yesoense Nakai
Nothoscordum sulvia (Buch.-Ham. ex D.Don) Kunth

観察難易度 ★☆☆☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:単子葉類
目  :クサスギカズラ目
科  :ヒガンバナ科
亜科 :ネギ亜科
属  :ネギ属
種  :ニラ

分布 原産地は東アジア。日本は全国で見られる。北海道のものは帰化。本州~九州のものは在来か帰化かはっきりしない。

生育環境 道端、空き地、畑の縁。

生活環 多年草。

全体の特徴 高さ30~60cm。全草に強いニンニク臭があり、離れていても臭う。

 短い地下茎がある。地上茎はない。

 線形。幅3~4mm。長さ30~40cm。

 散形花序。花被片は3個、白色。花弁状の白い苞が3個あり、花弁が6個あるように見える。花期は8~9月。

果実 蒴果。3裂する。

種子 黒色。表面に凹凸がある。

見分けのポイント
同所的に生え毒性のあるスイセン属との見分けが重要。
ニラ:全草に強いニンニク臭がある。
スイセン属(ニホンズイセン):ニンニク臭はない。

成分
アリシン:葉が折られる等して組織が傷つくと生成される。ニンニク臭がある。殺菌作用がある。

用途 若葉は重要な野菜。葉、茎、種子、地下茎は生薬の材料。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
文化財保護法(日本):なし
北海道文化財保護条例(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):カテゴリーB

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