葉は軸にヒレ状のもの(翼)がついた独特の形をしています。ウルシ科のため、触れるとまれにかぶれることがあります。葉には大きな虫こぶができることがあり、これはお歯黒の材料に使われました。

和名 ヌルデ(白膠木)、ヌリデ(白膠木)、ヌデ(橳)、カチノキ(勝の木)、カツノキ(勝の木)、ヌルデモミジ(白膠木紅葉)、ゴバイシ(五倍子)、フシ(五倍子、付子)、フシノキ(付子の木)、シオノキ(塩の木)、エンブシ(塩麩子)

英語名 Chinese sumac, nutgall tree

学名
Rhus javanica L.
Rhus affinis Wall.
Rhus bucki-amela Roxb.
Rhus bucku-amela Wall. ex Lindl.
Rhus fastuosa Salisb.
Tetradium amarissimum Poir.
Ailanthus gracilis Salisb.
Brucea amarissima Desv. ex Gomes
Brucea glabrata Decne.
Brucea gracilis (Salisb.) DC.
Brucea javanica (L.) Merr.
Brucea sumatrana Roxb.
Brucea sumatrensis Spreng.
Gonus amarissimus Lour.
Lussa amarissima Kuntze

観察難易度 ★★☆☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
無階級:コア真正双子葉類
無階級:バラ類
無階級:真正バラ類II(アオイ類)
目  :ムクロジ目
科  :ウルシ科
属  :ヌルデ属
種  :ヌルデ

分布 日本、朝鮮半島、中国、台湾、インド、ヒマラヤ。日本は全国に分布する。

生育環境 平地~山地。林縁、河原、ガレ場。先駆植物であり、攪乱の大きい環境でよく見られる。

生活環 落葉樹。

全体の特徴 高さ5~7m。

 皮目が多い。若枝は毛が密生するが、後に脱落する。

 互生。奇数羽状複葉。長さ25~40cm。葉軸に翼がある。側小葉は4~6対。小葉は長楕円形~卵状楕円形、長さ5~12cm、急鋭尖頭、鈍鋸歯縁。裏側は毛が密生する。ヌルデシロアブラムシが大きな虫こぶを作る。

 雌雄異株。円錐花序。小花は径2.5~4mm。花弁は5個、白色。雌花は花弁があまり開かない。雄花の花弁は大きく開く。花期は8月。

果実 核果。扁球形。径4mm。短毛が密生する。白粉状のリンゴ酸カルシウムで覆われ、塩味と酸味がある。9~10月に成熟する。

種子 —

見分けのポイント 葉は軸に翼のある特徴的な奇数羽状複葉。

成分
ウルシオール:触れるとかぶれることがある。
タンニン:虫こぶに多く含まれる。

用途 虫こぶはお歯黒の材料、皮なめしの材料、五倍子染め(ふしぞめ)用の染料。果実は薬用。幹は器具材。聖徳太子が仏像の材料に用いた。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

写真はクリックで拡大できます。