バラ(バラ科バラ属の総称)の品種改良や、バラの接ぎ木苗の台木に使われます。公園等に植えられたバラがうまく育たず、台木だったはずのノイバラが芽を出して大きく生長していることがあります。赤い実(偽果)はクリスマスリースによく使われます。

和名 ノイバラ(野茨、野荊、野棘)、ノバラ(野薔薇)、ヤマイバラ(山茨、山荊、山棘)、イヌイバラ(牛棘、犬薔薇)、イバラノキ(茨木)、イバラショウビ(茨薔薇)、サカヤニンドウ(酒屋忍冬)、エイジツ(営実)

英語名 multiflora rose, baby rose, Japanese rose, many-flowered rose, seven-sisters rose, Eijitsu rose, rambler rose

学名
Rosa multiflora Thunb.
Rosa multiflora var. alboplena T.T.Yu & T.C.Ku
Rosa multiflora f. inermis M.Kim
Rosa polyantha Siebold & Zucc.
Rosa polyantha f. roseipetala Honda
Rosa quelpaertensis H.Lév.
Rosa thunbergii Tratt.
Rosa thyrsiflora Leroy ex Déségl.
Rosa watsoniana Crép.

観察難易度 ★☆☆☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
無階級:コア真正双子葉類
無階級:バラ類
無階級:真正バラ類I(マメ類)
目  :バラ目
科  :バラ科
属  :バラ属
種  :ノイバラ

分布 日本、朝鮮半島、中国、台湾。日本は北海道南部、本州、四国、九州に分布する。ヨーロッパ、インド、北アメリカ、南アメリカ等に帰化している。

生育環境 明るい草地や林を好む。河畔林、林縁、空き地等。

生活環 落葉樹。

全体の特徴 低木。高さ2m。幹はややつる状になり、他のものに寄り掛かる。

 節の下に1対の棘がある。

 互生。奇数羽状複葉。長さ8~12cm。小葉は倒卵形、長さ2~5cm、鋸歯縁。側小葉は3~4対。托葉は櫛状、葉の基部に合着している。

 径2cm。花弁は5個、白色、先端がやや凹む。甘い香りがある。花期は7~8月。

果実 偽果は球形、径1cm、赤色、萼筒が肥大したもの。偽果の中に痩果が5~10個入っている。10月に成熟する。

見分けのポイント —

成分
フラボン配糖体:抗酸化作用がある。
ムルチフロリン:偽果に含まれる。
クエルセチン:偽果に含まれる。抗酸化作用、抗炎症作用がある。

用途 公園樹。花、偽果、根は薬用。花材、特に偽果はクリスマスリースの材料にされる。バラの品種改良。バラの接ぎ木苗の台木。

法規制等
環境省レッドデータブック2014:なし
北海道レッドデータブック2001:なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

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