バラ(バラ科バラ属の総称)の原種のひとつです。北海道の海岸に自生するほか、花壇にもよく植えられています。花はとても甘く濃い香りがあり、そばを通ると香りでその存在に気がつくほどです。花は香料の材料や薬用、果実は食用になります。北海道と道内の14市町村で自治体の花に指定されています。

和名 ハマナス(浜茄子、浜梨)、ハマナシ(浜梨)、マウニ、マイカイ(玫瑰)

英語名 rugosa rose, beach rose, Japanese rose, Ramanas rose, letchberry

学名
Rosa rugosa Thunb.
Rosa andreae Lange
Rosa coruscans Waitz ex Link
Rosa ferox Lawrance
Rosa kamtchatica Vent.
Rosa regeliana Linden & André

観察難易度 ★☆☆☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
無階級:コア真正双子葉類
無階級:バラ類
無階級:真正バラ類I(マメ類)
目  :バラ目
科  :バラ科
属  :バラ属
種  :ハマナス

分布 日本、サハリン、千島列島、カムチャツカ半島、朝鮮半島、中国。日本は北海道、本州(島根県以東、茨城県以北)に分布する。ヨーロッパ、北アメリカに帰化している。

生育環境 海岸の砂地。

生活環 落葉樹。

全体の特徴 よく分枝する。高さ1.5m。

 棘が密生する。

 互生。奇数羽状複葉。長さ8~12cm。小葉は3~4対、卵状楕円形、鈍鋸歯縁、表側は葉脈が凹む。托葉が1対ある。

 花弁は5個、白色。とても甘く濃い香りがある。花期は6~8月。

果実 バラ状果。花托が肥大したもので、偽果の一種。中に多数の痩果がある。扁球形。径2~3cm。朱赤色~濃紅色。8~9月に成熟する。

見分けのポイント —

成分
フェニルエチルアルコール:花に含まれる。甘い香りがある。日本酒やワインにも含まれる。
ゲラニオール:花に含まれる。甘い香りがある。ゼラニウムにも含まれる。
シトロネロール:花に含まれる。甘い香りがある。香水や防虫剤に使われる。

用途 公園樹。花材。花は香料の原料、薬用。果実は生食、ジャムの材料。バラの品種改良。

法規制等
環境省レッドデータブック2014:なし
北海道レッドデータブック2001:なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

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