早春、北海道で最も早く咲く木です。空気中の窒素を栄養として取り込むことができる、数少ない植物です。湿地等、水辺でよく見られます。木炭の材料に使われ、特に画材用の木炭として重宝されています。

和名 ハンノキ(榛の木)、ヤチハンノキ(谷地榛の木)、ハリ(榛)、ハリノキ(榛の木)

生薬名 —

アイヌ語名 ケネ、ケニ、ケネニ

英語名 East Asian alder

学名
Alnus japonica (Thunb.) Steud., 1840
Alnus harinoki Siebold
Alnus japonica Siebold & Zucc.
Alnus japonica f. arguta (Regel) H.Ohba
Alnus japonica f. koreana (Callier) H.Ohba
Alnus japonica var. koreana Callier
Alnus japonica var. serrata Nakai
Alnus japonica f. serrata (Nakai) M.Kim
Alnus japonica var. villosa L.Zhao & D.Chen
Alnus maritima var. arguta Regel
Betula japonica Thunb.

観察難易度 ★★★☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
無階級:コア真正双子葉類
無階級:バラ類
目  :ブナ目
科  :カバノキ科
亜科 :カバノキ亜科
属  :ハンノキ属
種  :ハンノキ

分布 日本、朝鮮半島、ウスリー、中国東北部。日本は全国に分布する。

生育環境 水辺を好む。湿地、河畔林。

生活環 落葉樹。

全体の特徴 高さ20m。

 放線菌が共生し、窒素固定を行う。

 樹皮は暗灰褐色。縦に浅く裂ける。

 互生。葉身は卵状長楕円形、長さ5~13cm。不整鋸歯縁。やや厚みがある。やや硬い。

 雌雄異花。雌花序は枝先につく。楕円形。長さ3~4mm。雄花序は枝先から下垂する。尾状花序。長さ4~8cm。花期は3月下旬~4月。葉の展開より先に開花する。

果実 堅果が集合し、葎果を形成する。葎果は卵状楕円形、長さ1.5~2cm、松かさに似る。10月に成熟する。

種子 —

見分けのポイント 水辺に多い。松かさに似た葎果をつける。

成分 —

用途 公園樹。器具材。木材は燻製用チップ、木炭の材料。特に画材の木炭として重要。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
文化財保護法(日本):なし
北海道文化財保護条例(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

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