1つの花(花序)が咲く様子を、源義経の妾である静御前が舞を舞う姿に見立てて、ヒトリシズカ(一人静)の名がつきました。また、眉掃き(アイブロウブラシのようなもの)に見立ててマユハキソウ(眉掃き草)の名もあります。同属のフタリシズカは花(花序)を2つ以上つけます。

和名 ヒトリシズカ(一人静)、ヨシノシズカ(吉野静)、マユハキソウ(眉掃草)、キュウイ(及已)

英語名 —

学名
Chloranthus japonicus
Tricercandra japonica (Siebold) Nakai

観察難易度 ★★☆☆☆

分類
門  :被子植物門
目  :センリョウ目
科  :センリョウ科
属  :チャラン属
種  :ヒトリシズカ

分布 日本、極東ロシア、朝鮮半島、中国。日本では北海道、本州、四国、九州に分布する。

生育環境 やや湿った環境を好む。林内。

生活環 多年草。

全体の特徴 根茎から多数の地上部を出し群生する。地上茎は分枝しない。高さ15~30cm。葉を4個のみつける。開花時は背が低く葉は小さいが、花後に背が高くなり葉は大きく展開する。

 短い根茎がある。地上茎は分枝しない。赤味を帯びるものが多い。花後に高く伸びる。

 対生。茎頂に2対つき、4輪生に見える。1年間につく葉は4個のみ。葉身は楕円形~卵状楕円形、長さ6~10cm。光沢がある。鋭鋸歯縁。先は尖る。新葉は赤味を帯びる。花後に大きく成長する。

 総状花序。茎頂に1個、まれに2個の花序をつける。花弁と萼片はない。雄蕊はそれぞれの小花に3個ずつあり、白い花糸が目立つ。外側の2個の花糸には基部に黄色の葯があり中央の1個にはない。花期は4~5月。開花時は背が低く葉は小さい。

果実 核果。長さ2.5~3mm。

見分けのポイント フタリシズカは節間が長いため、4輪生状にはならない。

成分 —

用途 根は薬用。花は観賞用。

法規制等
環境省レッドデータブック2014:なし
北海道レッドデータブック2001:なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

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