早春に花だけを地上に出し、フクジュソウに似たちょっと奇妙な姿になります。ヨーロッパや中国では古くから喘息の薬として使われてきました。これが『款冬(かんとう)』という名で日本に伝えられた時、フキのことであると勘違いされ長らくフキが薬草として重宝されていましたが、近年フキタンポポが款冬であると改められました。

和名 フキタンポポ(蕗蒲公英)、コルツフット(coltsfoot)

生薬名 款冬(かんとう)、款冬花(かんとうか)、款冬葉(かんとうよう)

アイヌ語名 —

英語名 coltsfoot

学名
Tussilago farfara L.
Cineraria farfara (L.) Bernh.
Farfara radiata Gilib.
Petasites farfara Baill.
Tussilago alpestris Hegetschw.
Tussilago generalis E.H.L.Krause
Tussilago radiata Gilib.
Tussilago ruderalis Salisb.
Tussilago rupestris Wall.
Tussilago umbertina Borbás
Tussilago vulgaris Lam.

観察難易度 ★★★☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
無階級:コア真正双子葉類
無階級:キク類
無階級:真正キク類II(キキョウ類)
目  :キク目
科  :キク科
亜科 :キク亜科
属  :フキタンポポ属
種  :フキタンポポ

分布 原産地はユーラシア、アフリカ北部。日本に帰化している。

生育環境 空き地、道端、荒れ地。

生活環 多年草。

全体の特徴 高さ5~15cm。根茎を横に伸ばし、群生する。

 —

 地下に根茎がある。

 根出葉のみ。葉身は円状心形、長さ3~12cm。有毛。

 頭状花序。花序は径2~3cm。筒状花と舌状花がある。筒状花は両性。舌状花は雌性。舌状花の花冠は黄色。葉より先に花茎のみを地上に出し開花する。花茎は有毛。花期は4~5月。花序は花後に下を向く。

果実 痩果。筒状花は結実せず、舌状花のみ結実する。長さ1cm。冠毛がある。

種子 —

見分けのポイント 早春、葉より先に花茎のみを地上に出し開花する。花後アキタブキに似て少し小さい葉をつける。

成分
ピロリジジンアルカロイド:薬効成分だが肝毒性がある。

用途 葉と蕾は薬用。観賞用。特に正月に飾る花として販売される。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
文化財保護法(日本):なし
北海道文化財保護条例(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):カテゴリーB

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