言わずと知れた春の花です。典型的な春植物で、雪解け直後にまず花を咲かせ、続けて葉を広げ、夏までには結実して地上部をすべて枯らします。虫媒花ですが花に蜜はなく、花をパラボラアンテナのように使って太陽光を集めることで温度を高め、昆虫を引き寄せます。春の季語や1月1日の誕生花に指定されており、絵画や小説等多くの文化芸術作品に使われています。

和名:フクジュソウ(福寿草)、ガンジツソウ(元日草)、ツイタチソウ(朔日草)

英語名:—

学名:Adonis ramosa

観察難易度:★★☆☆☆

分類:被子植物門、真正双子葉類、キンポウゲ目、キンポウゲ科、フクジュソウ属

生活環:多年草。典型的な春植物。雪解け直後に開花を始め、続いて葉を展開する。

形態:直立型。高さ10~30cm。全草有毒。

葉:互生。3~4回羽状に細裂する。裂片は披針形。無毛。托葉がある。

花:1~6個つく。径3~4cm。花弁は20~30個、艶のある黄色。花期は4~5月。虫媒花だが蜜腺はない。花弁で太陽光を反射させて1点に集め、花の中の温度を上げることで花粉媒介昆虫を誘引する。

果実:集合果。有毛。

生育環境:春先の日当たりが良く、湿り気があり、排水の良い環境を好む。沢筋の広葉樹林等。

分布:北海道、本州に分布する。

用途:観賞用。

見分けのポイント:キタミフクジュソウは葉が対生、托葉はない、葉裏に毛が多い、花は1個のみつく。