マタタビの香りを嗅いだネコは恍惚として涎を垂らしてしまいます。これを利用したネコ用の玩具やストレス発散グッズが流通しています。果実は食べられますが、からいです。夏になると一部の葉が白く変わり、遠くからでもよく目立つようになります。同属にキウイフルーツがあります。

和名 マタタビ(木天蓼)、モクテンリョウ(木天蓼)、夏梅(ナツウメ)、和多々比(ワタタヒ)、和太太備(ワタタビ)、ネコナブリ(猫弄り)

英語名 silver vine, matatabi, cat powder

学名
Actinidia polygama (Siebold & Zucc.) Planch. ex Maxim.
Actinidia inflammans Nakai
Actinidia lecomtei Nakai
Trochostigma polygamum Siebold & Zucc.
Trochostigma volubile Siebold & Zucc.

観察難易度 ★★★☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
無階級:コア真正双子葉類
無階級:キク類
目  :ツツジ目
科  :マタタビ科
属  :マタタビ属
種  :マタタビ

分布 日本、朝鮮半島、中国、ロシア沿海地方。日本国内では沖縄を除く北海道~九州に分布する。

生育環境 林内。

生活環 落葉樹。

全体の特徴 幹が蔓になる蔓植物。

 横から見て右巻きの蔓になる。

 互生。葉身は卵形、長さ2~7cm。先は尖る。鋸歯縁。基部は円形~浅心形。花期である7月頃、一部の葉が白くなる。

 雌株、雄株、両性花をつける両性株がある。花径は3cm。花弁は5個、白色。花期は7月。

果実 液果。長楕円形。長さ2.5~3cm。先は尖る。黄緑色~黄褐色。9~10月に成熟する。食用になるが、からい。しばしばマタタビアブラムシが寄生し虫こぶをつくる。

種子 —

見分けのポイント
北海道に生育するマタタビ科は以下の3種。いずれも幹は横から見て右巻きの蔓になる。
マタタビ:葉は夏に白くなる。果実は長楕円形、先は尖る。
サルナシ:葉は白くならない。果実は広楕円形、先は尖らない。
ミヤママタタビ:葉は白くならない。果実は長楕円形、先は尖らない。

成分
イリドミルメシン:別名マタタビラクトン。ネコに対し、恍惚と誘引の効果がある。
アクチニジン:ネコに対し、恍惚と誘引の効果がある。
β-フェニルエチルアルコール:ネコに対し、垂涎効果がある。

用途 若葉と果実は食用。果実は果実酒の材料。果実の虫こぶは薬用。幹はネコの玩具。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

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