薄紫色の果実が特徴的な、蔓性の果樹です。おいしいのですが、食べられる部分が少ないためかほとんど生産されていません。アケビはアイヌ語に由来するとの説があります。北海道ではアケビとミツバアケビ、それらの雑種であるゴヨウアケビが見られます。

和名 ミツバアケビ(三葉木通、三葉通草)

生薬名 木通(もくつう)、木通子(もくつうし)、木通根(もくつうこん)、預知子(よちし)、八月札(はちがつさつ)

アイヌ語名 —

英語名 —

学名
Akebia trifoliata (Thunb.) Koidz.
Akebia chaffanjonii H.Lév.
Akebia chingshuiensis T.Shimizu
Akebia lobata Decne.
Akebia lobata var. australis Diels
Akebia quercifolia Siebold & Zucc.
Akebia sempervirens Nakai
Akebia trifoliata var. litoralis Konta & Katsuy.

観察難易度 ★★★☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
目  :キンポウゲ目
科  :アケビ科
属  :アケビ属
種  :ミツバアケビ

分布 日本、中国、台湾。日本は北海道(石狩以南)~沖縄に分布する。

生育環境 低地~山地。

生活環 落葉樹。

全体の特徴 蔓性。幹が蔓状になり他の物に絡みついて伸びる。

 —

 横から見て右巻きの蔓状。径2cm。

 互生。3出複葉。葉柄は長い。小葉は広卵形、長さ2~6cm、波状鋸歯が数個ある。

 総状花序。雌雄異花。雌花は径1.5cm。花序の基部に1~3個つく。花弁はない。萼片は3個、濃暗紫色。雄花は径5mm。花序の先端に10~30個つく。花弁はない。萼片は3個、濃暗紫色。花期は5~6月。

果実 液果。長楕円形。長さ10cm。果皮は薄紫色。9~10月に成熟し、果皮が裂ける。

種子 —

見分けのポイント
北海道で見られるアケビ科は主に以下の3種。
アケビ:葉は5出複葉。小葉は長楕円形、全縁。萼片は淡紫色。
・ミツバアケビ:葉は3出複葉。小葉は広卵形、波状鋸歯縁。萼片は濃暗紫色。
・ゴヨウアケビ:アケビとミツバアケビの雑種で、両種が生えている場所で稀に見られ、中間的な特徴をもつ。葉は3出複葉または5出複葉。小葉は全縁または波状鋸歯縁。萼片は濃暗紫色。果実はめったにできない。

成分
アケボシド:サポニンの一種。

用途 庭園樹。蔓状の幹は細工物の材料として重要。特に編み籠、椅子に使われる。果実は食用。果実と幹は薬用。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
文化財保護法(日本):なし
北海道文化財保護条例(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

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