有名なオオバナノエンレイソウに似ていますが、ミヤマエンレイソウの方が花は少し小さく、やや下を向いて咲き、赤味がかることがあります。根茎を乾燥させたものは延齢草根や養老草と呼ばれ、生薬として流通しています。

和名 ミヤマエンレイソウ(深山延齢草)、シロバナエンレイソウ(白花延齢草)

生薬名 延齢草(えんれいそう)、延齢草根(えんれいそうこん)、三葉人参(みつばにんじん)、養老草(ようろうそう)

アイヌ語名 エマウリ、キナエマウリ、ケナシオロマプ、コロカオマプ、レタルキナエマウリ

英語名 —

学名
Trillium tschonoskii Maxim.
Trillium camschatcense var. tschonoskii (Maxim.) Vorosch.
Trillium morii Hayata

観察難易度 ★★★☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:単子葉類
目  :ユリ目
科  :シュロソウ科
属  :エンレイソウ属
種  :ミヤマエンレイソウ

分布 日本、サハリン、朝鮮半島、中国、台湾、ミャンマー。日本国内では、沖縄を除く北海道~九州に分布する。

生育環境 明るくやや湿った林内。

生活環 多年草。

全体の特徴 高さ20~40cm。未成熟個体は小さな葉を1個のみ地上に出すが、約10年かけて成熟し、葉を3個つけるようになる。

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 直立する。先端に葉を3個輪生する。

 輪生。茎頂に3個つく。1年間に出す葉はこの3個のみ。未成熟の個体では、地下茎から1個を出す。葉身は菱形、長さ6~15cm。

 横~斜め下向きに咲く。径3~5cm。花弁は3個、長さ3cm。花弁の色は白色、時に淡紅紫色の筋が入る。花期は5~6月。

果実 液果。緑色。

種子 エライオソームがあり、アリに運搬散布される。

見分けのポイント
北海道で見られるエンレイソウ属のうち、白色の花弁をもつものは以下の8種(変種、品種)。
・ソウヤノエンレイソウ:花弁は3個、長さ最大6cm、白色。上~斜め上を向いて咲く。雄蕊は雌蕊より長い。葯の長さは花糸の3倍。果実は淡いクリーム色で先端が緑色。
・ミヤマエンレイソウ:花弁は3個、長さ3cm。横~斜め下を向いて咲く。果実は緑色。全体がやや小型。
オオバナノエンレイソウ:花弁は3個、長さ最大6cm、白色。上~斜め上を向いて咲く。雄蕊は雌蕊より長い。葯の長さは花糸の3倍。果実は緑色、先端が黒く、その下に斑点か筋がある。
・カワユエンレイソウ:花弁は3個、長さ最大6cm。横向きに咲く。雄蕊は雌蕊より短い。葯の長さは花糸の2倍で5~6mm。果実は緑色、先端が黒く、その下に斑点か筋がある。全体が小型。あまり株立ちにならない。花弁はやや丸味が強い。
・シラオイエンレイソウ:花弁は3個、長さ最大6cm。横向きに咲く。雄蕊は雌蕊より短い。葯の長さは花糸の2倍で8~13mm。果実は緑色、先端が黒く、その下に斑点か筋がある。全体が大型。株立ちになる傾向がある。花弁と葉の縁が波打つ傾向がある。
・シロバナヒダカエンレイソウ:花弁は0~3個。雄蕊は雌蕊と同長か短い。萼片の先は次第に細く鋭くなる。子房は角ばった卵形、緑色で先端のみ赤紫色。
・エゾミヤマエンレイソウ:花弁は3個、長さ3cm。果実は暗い紫色。
・チシマエンレイソウ:花弁は3個、長さ最大6cm。上~斜め上を向いて咲く。雄蕊は雌蕊より長い。葯の長さは花糸の3倍。果実は濃い紫色。

成分 

用途 —

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
文化財保護法(日本):なし
北海道文化財保護条例(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし