他の木の枝から養分をとり、光合成もする、半寄生植物です。常緑樹なので、宿主の葉が落ちる冬にはよく目立ちます。果実が黄色のヤドリギと、赤色のアカミヤドリギがあります。同科別属に、「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」のことわざで有名なビャクダン(栴檀のこと)があります。

和名 ヤドリギ(寄生木、宿り木、宿木)、ホヤ(寄生、保夜)、ホヨ(寄生、保与)、トビヅタ(飛び蔦)

生薬名 桑寄生(そうきせい)、槲寄生(こくきせい)、柳寄生(りゅうきせい)、柿寄生(しきせい)、北寄生(ほくきせい)、黄寄生(おうきせい)

アイヌ語名 ニハル

英語名(基本変種セイヨウヤドリギの名) mistletoe, European mistletoe, common mistletoe

学名
Viscum album var. coloratum Ohwi
Viscum album ssp. coloratum Kom.
Viscum alniformosanae Hayata
Viscum coloratum (Kom.) Nakai
Viscum coloratum var. alniformosanae (Hayata) Iwata

観察難易度 ★★☆☆☆

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
無階級:コア真正双子葉類
目  :ビャクダン目
科  :ビャクダン科
属  :ヤドリギ属
種  :セイヨウヤドリギ
変種 :ヤドリギ

分布 日本、朝鮮半島、中国東北部。日本は沖縄を除く北海道~九州に分布する。

生育環境 落葉広葉樹の枝上。宿主はシラカンバ、ミズナラが多い。

生活環 常緑樹。

全体の特徴 落葉広葉樹に寄生し、光合成も行う、半寄生植物。宿主はシラカンバミズナラが多い。直径約50cmの球形に枝を広げる。

 宿主の枝に貫入する。

 枝は二叉分枝する。

 対生。葉身は倒披針形、長さ3~6cm。厚みがある。無柄。

 雌雄異株。枝先につく。径4~6mm。黄色。花期は5月。

果実 液果。球形。径7mm。淡黄色。10月に成熟する。果実の一部分には粘る部位があるため、鳥に食べられて排泄される際、長く糸を引いて枝等に絡みつく。

種子 —

見分けのポイント
ヤドリギ:果実は淡黄色。
アカミヤドリギ:果実は赤色。

成分
ヤドリギレクチン:がんの治療薬として研究されている。

用途
観賞用、特にクリスマスの飾りとして重要。薬用。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
文化財保護法(日本):なし
北海道文化財保護条例(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

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