「立てば芍薬」で有名なシャクヤクの近縁種で、日本に自生しているのがヤマシャクヤクです。花はあまり大きく開かず丸っこくて、白いバニラアイスの様です。環境省レッドデータブックで準絶滅危惧に指定されています。

和名 ヤマシャクヤク(山芍薬)、ノシャクヤク(野芍薬)

生薬名 山芍薬(やましゃくやく)、田舎芍薬(いなかしゃくやく)

アイヌ語名 ホラプ(根)、オラプ(根)、オタクル(根)、ホメス(根)、コルコマプ(果実)

英語名 woodland peony

学名
Paeonia japonica (Makino) Miyabe & H.Takeda
Paeonia obovata ssp. japonica (Makino) Halda

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
無階級:コア真正双子葉類
目  :ユキノシタ目
科  :ボタン科
属  :ボタン属
種  :ヤマシャクヤク

分布 日本、朝鮮半島。日本国内では北海道、本州、四国、九州に分布する。

生育環境 低地~亜高山の落葉樹林。斜面に多い。

生活環 多年草。

全体の特徴 高さ30~40cm。

 —

 地上茎は分枝しない。地下に径1cm程の根茎がある。

 互生。2回3出複葉、長さは葉柄を含め15~35cm。小葉は倒卵形~長楕円形、長さ3~8cm。裏側は普通無毛。

 茎頂に1個、葉とほぼ同じ高さにつく。茎は分枝しないため、1年間で咲かせる花はこの1個のみ。径5cm。花弁は5個、白色。萼片は3個。あまり大きく開かない。

果実 袋果。種子は濃紺色。偽種子は鮮やかな赤色で目立つ。

種子 —

見分けのポイント
ヤマシャクヤク:花弁は白色。花は葉とほぼ同じ高さにつく。柱頭は短く、やや曲がる。葉の裏側は無毛のことが多い。
ベニバナヤマシャクヤク:花弁は赤色、まれに白色。花は葉より高い位置につく。柱頭は長く、かなり巻き込む。葉の裏側は有毛のことが多い。

成分
ペオニン:根に多く含まれる。ポリフェノールの一種。

用途 観賞用。根は薬用。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):準絶滅危惧(NT)
北海道レッドデータブック2001(北海道):希少種(R)
文化財保護法(日本):なし
北海道文化財保護条例(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

写真はクリックで拡大できます。