北海道で一番身近な松(マツ科マツ属)がヨーロッパクロマツかもしれません。ヨーロッパ原産ですが、北海道の気候に合い、公園などでとにかくよく見かけます。クロマツに比べ松ぼっくりの成熟に時間がかかるため、成熟して開いている松ぼっくりが何年前の枝についているかで見分けることができます。

和名 ヨーロッパクロマツ(ヨーロッパ黒松)、オウシュウクロマツ(欧州黒松)、オーストリアマツ(オーストリア松)、コルシカンパイン

英語名 Austrian pine, black pine

学名
Pinus nigra J.F.Arnold
Abies marylandica Dallim. & A.B.Jacks.
Abies novae-angliae K.Koch
Pinus banatica (Georgescu & Ionescu) Georgescu & Ionescu
Pinus nigra Link
Pinus nigra ssp. croatica Lovric
Pinus nigricans Host

観察難易度 ★★☆☆☆

分類
門  :裸子植物門
綱  :マツ綱
目  :マツ目
科  :マツ科
属  :マツ属
種  :ヨーロッパクロマツ

分布 原産地はヨーロッパ。北海道では人為的に植えられている。

生育環境 人為的に植えられる。海岸~山地を好む。

生活環 常緑樹。

全体の特徴 高さ20m。

 —

 樹皮は大きく深く縦に裂ける。

 2本一束でつく。葉身は針状、長さ8~15cm。

 雌雄異花。雌花は新枝の先端につく。雄花は新枝の付け根付近につく。

球果 長さ4~8cm。成熟に2年かかる。春に受粉した後、翌々年に裂開する。

種子 —

見分けのポイント
北海道で見られるマツ科マツ属のうち、葉が2本一束でつくのは、主に以下の6種。
モンタナマツ:幹は下から分岐し、一部は地を這う。高さ3m程にしかならない。
バンクスマツ:幹は直立し、高さ20m。球果は、裂開せずやや湾曲して、長く樹上に残る。
クロマツ:幹は直立し、高さ10m。樹皮は黒灰色。葉は長さ6~12cm。球果は成熟に1年半かかり、受粉の翌年の秋に裂開する。
・ヨーロッパクロマツ:幹は直立し、高さ20m。樹皮は黒灰色。葉は長さ8~15cm。球果は成熟に2年かかり、受粉の翌々年に裂開する。
アカマツ:幹は直立し、高さ20~30m。樹皮は上部で赤味を帯び、下部でも人為的に剥がされて鮮やかな赤茶色をしていることが多い。葉は長さ7~12cm。葉の断面は半月形で平たい部分はない。葉はあまり捻じれずまっすぐで、2本の葉の先は揃う。葉の気孔線は目立たない。球果は成熟に1年半かかり、受粉の翌年の秋に裂開する。
ヨーロッパアカマツ:幹は直立し、高さ20~30m。樹皮は上部で赤味を帯び、下部でも人為的に剥がされて鮮やかな赤茶色をしていることが多い。葉は長さ4~7cm。葉の断面は半月形だが平たい部分もある。葉は途中で捻じれて少し曲がり、2本の葉の先は揃わないことも多い。白い気孔線が目立つ。球果は成熟に2年かかり、受粉の翌々年の春に裂開する。

成分 —

用途 公園樹、街路樹、建築材、器具材。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
文化財保護法(日本):なし
北海道文化財保護条例(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

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