日高山脈の南端付近に位置するアポイ岳は、特殊な環境のために約20の固有の植物が生育しています。

もくじ

  • 1. 地図
  • 2. 概要
  • 3. いちおしポイント
  • 4. 注意点
  • 5. 植物(写真付き)
  • 6. 植物(名前一覧)
  • 7. 見どころ
  • 8. 感想
  • 9. アポイ岳の写真
  • 地図

    概要

    所在地:北海道様似郡様似町

    標高:810m

    アイヌ語名:アペ・オイ・ヌプリ(火・多い所・山)。アイヌの人々がこの山で焚き火をして鹿の豊猟をカムイに祈ったという伝説があります。

    アクセス:◆駐車場あり
    ◆JR『苫小牧』駅からJR日高本線鵡川行き乗車、JR『鵡川』駅からJR日高本線代行バス静内行き乗車、JR『静内』駅からJR日高本線代行バス様似行き乗車、JR『様似』駅からJR北海道バス日勝線(様似-広尾・アポイ山荘経由)広尾行き乗車、『アポイ山荘』下車、徒歩4分。※苫小牧駅からアポイ岳登山口まで6時間はかかります。

    設備:【駐車場】アポイ岳ジオパークビジターセンターの駐車場
    【案内所】アポイ岳ジオパークビジターセンター
    【山小屋】5合目山小屋

    分類:日高山脈、日高山脈襟裳国定公園、アポイ岳ジオパーク

    説明:アポイ岳を含む日高山脈は、約1300万年前のプレート同士の衝突によって地面が盛り上がってできました。アポイ岳はそんな日高山脈の南端付近に位置しています。日高山脈襟裳国定公園特別保護地区、特別天然記念物「アポイ岳高山植物群落」、北海道希少野生動植物の保護に関する条例、天然記念物「幌満ゴヨウマツ自生地」、アポイ岳ジオパーク、ヒダカソウ生育地保護区に指定されています。約20の固有の植物が生育しています。その理由として5つのことがあげられます。
    ①アポイ岳は誕生してから一度も海面下になったことがなく、誕生当時の植物を保護してきたため。
    ②氷河期に大陸と地続きとなり、北方系の植物がやってきたため。
    ③アポイ岳を形成するかんらん岩は削れにくく、堆積に時間がかかります。その結果、できる土壌は「薄い」「乾燥しやすい」「栄養に乏しい」という特徴があるため。
    ④夏は海霧が発生し気温が低いため。
    ⑤積雪量が少なく強風に晒されるため、凍結融解が起こりやすいです。そうなると植物の根を痛めてしまうため。
    登山口は海岸から1kmしか離れていない標高80mのところにありるため、中勾配を700m以上も登らなくてはなりません。それなりの体力が必要です。

    いちおしポイント

    ①温帯、冷温帯、亜高山、高山、の植物が自生しています。ヒダカソウ、アポイカンバ、サマニオトギリなど約20の固有の植物がみられます。
    ②エゾナキウサギ、アポイマイマイ、ヒメチャマダラセセリなどの珍しい生き物が生息しています。
    ③アポイ岳を形成しているかんらん岩は、比重(g/㎤)が3.0~3.3あり手に持つと重たいです。かんらん岩の結晶は「ペリドット」というオリーブ色の宝石になります。

    注意点

    ①ヒグマ、マムシ、ハチ、ダニ、ウルシ、トリカブトなどの危険な動植物には十分注意が必要です。
    ②動植物や岩石などの採取は禁止されています。特にヒダカソウは環境省「絶滅危惧IA類(CR)」や「北海道指定希少野生動植物種」「北海道特定希少野生動植物種」に指定され、5合目山小屋より上は「ヒダカソウ生育地保護区」に指定されています。登山道から外れないようにしましょう。
    ③外来種や他地域の植物の侵入を防ぐために、装備や靴裏に付着した種子を持ち込まないよう靴の泥を落としてから入山するなど気を付けてください。

    植物(写真付き)

    白色の花 の写真を見る
    黄色・赤色・青色の花 の写真を見る
    その他の色・地味な花 の写真を見る
    シダ・コケ の写真を見る

    ※ 花色や斑入りなど複数のタイプのある植物は、全てのタイプの写真を載せている場合があります。この場所で必ずしも全てのタイプの花・葉が見られるわけではありません。

    植物(名前一覧)

    アオハダ アオモリアザミ アカエゾマツ アキカラマツ アポイアザミ アポイアズマギク アポイカラマツ アポイカンバ アポイキンバイ アポイクワガタ アポイシモツケ アポイジャニンジン アポイゼキショウ アポイタチツボスミレ アポイタヌキラン アポイツメクサ アポイハハコ アポイマンテマ アポイミセバヤ アポイヤマブキショウマ アヤメ イソツツジ イチヨウラン イブキジャコウソウ ウメガサソウ ウメバチソウ ウラシマツツジ エゾイヌノヒゲ エゾオオサクラソウ エゾキスミレ エゾコウゾリナ エゾコゴメグサ エゾサイコ エゾシオガマ エゾシモツケ エゾスズラン エゾタカネニガナ エゾタンポポ エゾノカワラマツバ エゾノシモツケソウ エゾノジャニンジン エゾノシロバナシモツケ エゾノハクサンボウフウ エゾノヒメクラマゴケ エゾノヨロイグサ エゾマツムシソウ エゾムラサキツツジ エゾリンドウ エゾルリムラサキ オオアマドコロ オオカメノキ オオタカネバラ オオバナノミミナグサ オオヤマサギソウ オカトラノオ オクエゾサイシン オトギリソウ オヤマソバ ガマズミ カマヤリソウ カラマツソウ カワラボウフウ カワラマツバ キキョウ キジムシロ キタコブシ キタゴヨウ キタノコギリソウ キタヨツバシオガマ キンミズヒキ ギンラン ギンリョウソウ キンロバイ クモキリソウ クルマバツクバネソウ クルマユリ クロミノウグイスカグラ コイチヨウラン コウゾリナ コガネギク コキンバイ コケモモ コゴメウツギ ゴゼンタチバナ コナラ コバギボウシ コハマギク コフタバラン ゴマナ コミヤマカタバミ ゴヨウマツ コヨウラクツツジ サマニオトギリ サマニカラマツ サマニユキワリ サンショウ シッポゴケ シュロソウ ショウジョウバカマ ジンヨウイチヤクソウ スズラン ゼンテイカ セントウソウ センボンヤリ ダイモンジソウ ダケカンバ タチツボスミレ チゴユリ チシマキンレイカ チシマザクラ チシマセンブリ チシマフウロ チャボヤマハギ チョウセンカワラマツバ チングルマ ツバメオモト ツボスミレ ツマトリソウ ツルアリドオシ ツルリンドウ ナガボノワレモコウ ナツハゼ ネジバナ ノハナショウブ ノリウツギ ハウチワカエデ ハクウンボク ハクサンシャクナゲ ハクサンシャジン ハクサンチドリ ハクサンボウフウ ハナニガナ ハナヒリノキ ヒオウギアヤメ ヒダカイワザクラ ヒダカソウ ヒダカトウヒレン ヒダカトリカブト ヒダカミセバヤ ヒメイチゲ ヒメエゾネギ ヒメシラネニンジン ヒメシロネ ヒメナツトウダイ ビロードエゾシオガマ ヒロハノヘビノボラズ フイリミヤマスミレ フデリンドウ ホオノキ ホガエリガヤ ホソバエゾノコギリソウ ホソバトウキ ホツツジ マイヅルソウ マルバシモツケ ミネヤナギ ミヤコザサ ミヤマウズラ ミヤマエンレイソウ ミヤマオダマキ ミヤマガマズミ ミヤマナナカマド ミヤマハンショウヅル ミヤマハンノキ ミヤマハンモドキ ミヤマビャクシン ミヤマホツツジ ミヤマヤブタバコ ミヤマワレモコウ ムラサキシキブ ムラサキヤシオ メギ モイワシャジン ヤクシソウ ヤマクルマバナ ヤマサギソウ ヤマツツジ ヤマニガナ ヤマハハコ ヤマブキショウマ レンゲツツジ ワタゲカマツカ

    見どころ

    アポイ岳ジオパークビジターセンター:アポイ岳に生える高山植物やヒグマに関する情報をリアルタイムで知ることができます。

    5合目山小屋:ベンチがあるだけの簡易小屋です。ここを過ぎるとアポイ岳の森林限界があります。山小屋から尾根まで岩礫地が続きます。

    馬の背:アポイ岳の山頂へと続く尾根です。登山道沿いで多くの高山植物に出会うことができます。眼下に広がる太平洋や、日高山脈の山嶺が連なる雄大な景色を堪能できます。

    幌満お花畑:以前はヒダカソウのお花畑があることで有名でしたが、盗掘やハイマツなどの侵入による影響で、現在ではほとんど見ることができません。

    アポイ岳山頂:アポイ岳の森林は5合目付近までで、それより上はハイマツ帯です。しかし、何故か山頂辺りにのみダケカンバ林があります。山頂からの景色は良くありません。

    固有種:エゾコウゾリナ、ヒダカソウなど約20種の固有植物が自生しています。植物以外にもアポイマイマイやヒメチャマダラセセリなどの珍しい生き物がが生育しています。

    感想

    人生で初めて森林限界を超えて登りました。礫道を登りながら「山頂はどんな景色なのかな」とワクワクしていたのに、なぜか山頂だけ木が生えてるー。360度木、木、木・・・・。こんなこともあるんですね。

    アポイ岳の写真