手つかずの自然が残る動植物の楽園。広大な湿原の上を優雅にタンチョウが飛んでいます。

もくじ

  • 1. 概要
  • 2. いちおしポイント
  • 3. 注意点
  • 4. 植物(写真付き)
  • 5. 植物(名前一覧)
  • 6. 見どころ
  • 7. 感想
  • 8. 釧路湿原国立公園の写真
  • 概要

    所在地:北海道釧路市、釧路町、標茶町、鶴居村

    標高:約5m

    アイヌ語名:「クシュル」「クッチャロ」「クスリ」など諸説ある

    分類:釧路湿原国立公園

    説明:北海道東部に位置する釧路湿原国立公園は、日本最大の泥炭湿原である釧路湿原を中心とした国立公園です。国立公園の面積は28,788haです。湿原の80%を占める低層湿原の他、高層湿原、河川、湖沼群及び湿原を取り囲む丘陵地からなっています。縄文時代、この辺りは海でしたが海水面が下がり湿原となりました。海の名残である海跡湖や海食崖があります。日本で唯一のタンチョウの繁殖地として有名です。広大な面積の大部分に人の手が入ることなく保たれた為、多様な動植物が生活しています。1980年(昭和55年)にラムサール条約に日本第1号として登録されました。釧路湿原国立公園特別保護地区及び特別地域、国指定釧路湿原鳥獣保護区に指定されています。

    いちおしポイント

    ①日本最大の泥炭湿原です。

    ②国の特別天然記念物記念物に指定されているタンチョウをはじめ、植物約700種、昆虫類約1,100種、魚類38種、両生類4種、爬虫類5種、鳥類200種、哺乳類39種の生物が生息・生育しています。

    ③ヤチボウズ(谷地坊主)というお坊さんの頭に似ているとされる植物の塊があります。カブスゲが毎年古株の上に葉を出すことを繰り返してできるものです。

    注意点

    ①ヒグマ、マムシ、ハチ、ダニ、ウルシ、トリカブトなどの危険な動植物には十分注意が必要です。
    ②遊歩道や木道から外れないようにしましょう。ヤチナマコに落ちる危険があります。ヤチナマコとはつぼ型の水たまりです。地上からは小さく見えても、底は深くて広くなっています。
    ③タンチョウや他の動物を脅かしたり捕まえないようにしましょう。植物の採集もしてはいけません。

    植物(写真付き)

    あ~さ の植物の写真を見る
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    植物(名前一覧)

    アカネスミレ イソツツジ ウマノミツバ ウメガサソウ ウメバチソウ ウラホロイチゲ エゾエンゴサク エゾオオサクラソウ エゾカラマツ エゾスカシユリ エゾトリカブト エゾネコノメソウ エゾノコギリソウ エゾノバッコヤナギ エゾノミズタデ エンコウソウ オオウバユリ オオカサモチ オオバナノエンレイソウ オククルマムグラ オトコエシ オニシモツケ カキツバタ カブスゲ ガマ カラフトイバラ ガンコウラン キタコブシ キタミフクジュソウ キツリフネ キバナノアマナ ギョウジャニンニク クサソテツ クシロハナシノブ クルマユリ クロバナロウゲ クロミノウグイスカグラ(ハスカップ) クロユリ コガネギク コツマトリソウ コバギボウシ サギスゲ サラシナショウマ サワギキョウ サワラン シコタンキンポウゲ スズラン セリ センボンヤリ タヌキモ ツリガネニンジン ツリフネソウ ツルコケモモ トウヌマゼリ トキソウ ドクゼリ ナガボノワレモコウ ニリンソウ ネムロコウホネ ノリウツギ ハナタネツケバナ ハンノキ ヒオウギアヤメ ヒシ ヒトリシズカ ヒメイチゲ ヒメカイウ ヒメシャクナゲ フタリシズカ フッキソウ フデリンドウ ホザキシモツケ ホロムイソウ ホロムイリンドウ マイヅルソウ ミズチドリ ミズバショウ ミツガシワ ミツバベンケイソウ ミミコウモリ ミヤマザクラ モウセンゴケ ヤチツツジ ヤチヤナギ ヤナギトラノオ ヤブハギ ヤマハギ ユキザサ ヨシ ヨブスマソウ レンプクソウ ワタスゲ

    見どころ

    低層湿原:釧路湿原の80%を占めています。地下水位よりも低いところに湿原表面があります。 カブスゲなどが生えています。

    高層湿原:地下水位よりも高い所に湿原があるため、雨水で湿原を維持しています。ミズゴケ群落を主として、トキソウ、サワラン、ホロムイソウなどが生えています。

    河川:釧路川、久著呂川(くちょろがわ)、雪裡川(せつりがわ)などが網の目のように流れています。カヌーに乗って釧路湿原の中を進むこともできます。

    湖沼群:シラルトロ湖、塘路湖(とうろこ)、達古武湖(たっこぶこ)などの海跡湖や沼、ヤチナマコが多数あります。湖沼群ではタヌキモ、 ネムロコウホネ、ミツガシワなどの植物を見ることができます。

    丘陵地:釧路湿原の東、北、西側をぐるりと囲んでいます。かつて海だった名残である海食崖が見られます。

    ヤチボウズ:スゲ類が前年までの株の上に根を張って生長することで、年々株が大きくなったものです。こんもりとした坊主頭のように見えることから「谷地坊主」と呼ばれています。

    ヤチナマコ:つぼ型の穴になっている水たまりです。深さ数mもあり、落ちると大変危険です。谷地眼という漢字のとおり、地上からは目玉のように見えることがあります。

    ヒシ:塘路湖(とうろこ)の特産品です。古くから住民に食べられてきました。

    タンチョウ:全長140cm、翼長250cmの大型のツルです。旧千円札のデザインになっていました。昔は本州にも飛来していましたが、現在は釧路湿原周辺でのみ生息しています。一見尾が黒く見えますがそれは翼の先の部分です。本来の尾は白色です。アイヌの人々からサルルンカムイ(湿原の神)として崇められています。国の特別天然記念物記念物に指定されています。

    シマフクロウ:フクロウ類では日本最大で、日本では北海道東部にのみ生育しています。20世紀初頭までは北海道全域に分布していたのですが、森林伐採や河川工事などにより住むことができる場所がが減りました。「国内希少野生動植物種」「絶滅危惧ⅠA類」に指定されています。

    イトウ:サケ科の魚です。日本最大の淡水魚で体長1m以上にもなります。現在はその数が非常に少なくなっています。

    氷河期の生き残り:クシロハナシノブやハナタネツケバナ、キタサンショウウオなど氷河期の生き残りである動植物がいまも住んでいます。キタサンショウウオはシベリアから渡ってきたと言われています。出会ったときはそっと見守りましょう。

    感想

    訪れる前は「タンチョウがいる」「有名な湿原がある」としか知りませんでしたが、ヤチボウズやヤチナマコなど見どころが沢山あって面白かったです。展望台から見る広大な釧路湿原の景色はとても素晴らしかったです。釧路湿原を訪れた際は展望台に上ることをお勧めします。展望台は国立公園内に多数あります。

    釧路湿原国立公園の写真