万葉集には「萩の花 尾花葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなえし) また藤袴 朝貌(あさがほ)の花(山上憶良)」という和歌が収められており、これら7種の植物は『秋の七草』と呼ばれます。現在ではラン科を表す蘭という言葉は本来フジバカマを指すもので、フジバカマはランソウ(蘭草)、コウスイラン(香水蘭)、アララギ(蘭)等の別名があります。

和名 フジバカマ(藤袴)、ヒヨドリバナ(鵯花)、サワラン(沢蘭)、ユーパトリウム(Eupatorium)、カオリグサ(香草)、ランソウ(蘭草)、コウスイラン(香水蘭)、コメバナ(米花)、クンハカマ(薫袴)、アララギ(蘭)

英語名 Boneset, Thoroughwort, Joe-Pye weed

学名
Eupatorium japonicum Thunb.
Eupatorium tozanense Hayata
Eupatorium wallichii DC.

観察難易度 ★★★★☆

分類
門  :被子植物門
無階級:真正双子葉類
無階級:コア真正双子葉類
無階級:キク類
無階級:真正キク類II(キキョウ類)
目  :キク目
科  :キク科
属  :ヒヨドリバナ属
種  :フジバカマ

分布 日本、朝鮮半島、中国。日本国内では本州(関東以西)、四国、九州に分布する。日本のものは史前帰化という説がある。

生育環境 川沿いの湿った草原やまばらな林。

生活環 多年草。

全体の特徴 高さ1~1.5m。長い地下茎から地上部を多数出し群生する。

 長い地下茎がある。

 対生。下部の葉は3深裂、長さ10cm。上部の葉は小型、長楕円形。鋸歯縁。

 頭状花序を散房状につける。筒状花のみで舌状花はない。花冠は淡赤紫色。花期は8~10月。芳香がある場合とない場合がある。

果実 痩果。長さ3mm。冠毛がある。

種子 —

見分けのポイント 下部の葉は3深裂、鋸歯縁。

成分
クマル酸:乾燥すると生成される。桜餅の葉の香りがする。

用途 観賞用、特に秋の七草として重要。薬用。

法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):準絶滅危惧
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし

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