スズランを見たことがなくても、洗剤や香水で香りだけは知っているという方も多いのではないでしょうか。戦後の日本で野生のスズランを持ち帰る『スズラン狩り』が流行し、各地の自生地は失われました。札幌市等多くの自治体の花に指定されています。花壇に植えられているのはほとんどの場合ドイツスズランです。
和名 スズラン(鈴蘭)、ニホンスズラン(日本鈴蘭)、キョクトウスズラン(極東鈴蘭)、キミカゲソウ(君影草)、タニマノヒメユリ(谷間の姫百合)
生薬名 鈴蘭根(すずらんこん)
アイヌ語名 チロンヌプキナ、、チロンノプフレップ、ヌッププクサ、ヌプキナ、シタプクサ
英語名 —
学名
Convallaria majalis L. var. manshurica Kom.
Convallaria keiskei Miq.
Convallaria majalis L. var. keiskei (Miq.) Makino
観察難易度 ★★★★☆
分類
門 :被子植物門
無階級:単子葉類
目 :クサスギカズラ目
科 :クサスギカズラ科
亜科 :スズラン亜科
属 :スズラン属
種 :ドイツスズラン
変種 :スズラン
分布 日本、サハリン、シベリア東部、朝鮮半島、中国。日本国内では、北海道、本州、九州に分布する。
生育環境 やや日当たりの良い環境を好む。明るい草地。
生活環 多年草。
全体の特徴 高さ20~35cm。花茎は葉より低い。
根 —
茎 長い地下茎から地上部を多数出し群生する。地上茎は花茎のみ。花茎は葉より低い。葉の基部が抱き合っている部分は偽茎であり、茎ではない。
葉 根出葉のみ。1年間に2個のみ出す。葉身は楕円形、長さ10~20cm。全縁。無柄。基部は鞘状になって、葉同士が抱き合い、偽茎を作る。
花 総状花序。花冠は鐘形、白色、先が6浅裂する。下向きに咲く。花冠の奥は白色でほとんど赤くならない。甘くとても良い香りがある。花期は5月下旬~6月。
果実 液果。球形。赤色。
種子 —
見分けのポイント
・スズラン:花の奥はほぼ白色。稀に日当たりの良い草地に生育する。
・ドイツスズラン:花の奥に赤い模様がある。普通花壇に植えられているのはこちら。
成分
・コンバロサイド:全草に含まれる。強心成分。
・コンバラトキシン:全草に含まれる。強心成分。
用途 観賞用。薬用。
法規制等
環境省レッドデータブック2014(環境省):なし
北海道レッドデータブック2001(北海道):なし
文化財保護法(日本):なし
北海道文化財保護条例(北海道):なし
世界の侵略的外来種ワースト100(国際自然保護連合):なし
日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会):なし
外来生物法(日本):なし
生態系被害防止外来種リスト(環境省):なし
北海道ブルーリスト2010(北海道):なし
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